リズムあそびについて
ホールで年長のリズムあそびが始まると、0歳児の子たちも寄ってきました。次の年長になる4歳児さんには見てもらおうと考えていたのですが、小さい子もみんな釘付けになっていました。6歳の子が大勢の仲間と共に、集中して手先から足先まで、今の自分の全身を使いこなしリズムあそびをする姿は、小さい子たちの憧れです。

私は、学生時代にさくら・さくらんぼ保育園の子どもたちに出会って、就学前教育が人間の土台を育てると確信し、そこに飛び込みました。斎藤公子代表園長は「私は就学前の0歳から6歳までの身体を動かすこと・運動することは、単に身体をつくるという目的だけでなく、脳の発達のため、つまり知的発達のために大変重要なものと位置づけている。それは、運動神経は感覚神経とともに脳中枢神経でつながり、両神経の発達が脳中枢の発達を促すからである。しかも就学前の6年間は、その脳中枢のもっとも発達する時期であり、6歳頃までにほぼ大人の90%に達する、と言われているからである。したがって触覚、視覚などの感覚神経と、手や足などを動かす各運動神経を発達させることが、就学を可能にする知的な脳の発達を促す土台になる」と考え、毎日リズムあそびに取り組んでいました。
そして動ける喜びを知った子どもは、絶え間ない自発的運動の中で自らを育てていきました。大事なことは、その力を安心して自由に自分で試していく場があるかどうかです。柔らかくて温かみのある檜の床の出入り自由な開放的園舎、水や砂場や土山であそべ、仲間とごっこあそびに戯れる空間のある園庭、そして大きい子たちが探検に行ける自然環境や、動物の飼育や畑づくりもできる環境、それらを造ることが大人たちの大仕事でした。その後、岡山に来て28年間、保育の現場でリズムあそびに取り組み子どもを育ててきましたが、斎藤公子代表園長の言葉の奥深さを考えさせられます。リズムあそびを通して、持続力と集中力を身に着け、変わる自分を感じ、共に喜びを分かち合う仲間がいる。学ぶ楽しさをたっぷり身体で感じること、それはまさに人間の土台を育てることだと思うのです。
これからも多くのみなさんと共に、子どもがのびのびと遊びほうける環境を積み上げてゆき、足守と新庄上、二つのもみの木は歩み続けます。
もみの木保育園 園長 森田幸子